ニチニチソウは毎年美しい花を咲かせてくれる人気の一年草ですが、こぼれ種から自然に発芽して翌年も咲くことがあると聞いて、「ニチニチソウは勝手に増える?」と疑問に感じたことはありませんか?本記事では、そんな方に向けて、ニチニチソウのこぼれ種が実際にどう増えるのか、またその育成を成功させるためのポイントを詳しく紹介します。
特に、こぼれ種の発芽条件と対策、こぼれ種の冬越しは可能?といった気になるテーマを取り上げ、自然繁殖を活かしたガーデニングのヒントをわかりやすく解説します。また、栽培計画を立てるうえで知っておきたいニチニチソウの種まき時期を解説し、こぼれ種だけでなく採取した種の保存にも役立つニチニチソウの種保存方法とはについても丁寧に触れています。
初めて育てる方から経験者まで、こぼれ種を上手に管理しながらニチニチソウをもっと楽しむための情報が詰まった内容になっています。
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ニチニチソウのこぼれ種が自然に発芽する条件
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こぼれ種の冬越しの可否と対策方法
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種の保存方法と適切な管理の仕方
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種まきの時期と育苗の基本的な手順
名古屋大学・理化学研究所らの共同研究「ニチニチソウの種子発芽に伴うアルカロイド生合成過程を解析」
ニチニチソウ種子が発芽する際、抗がん剤成分などを含むアルカロイドの生合成が細胞分化とともに始まるしくみを解明しており、植物の発芽や代謝に関する科学的理解に資する研究である jstage.jst.go.jp+8nagoya-u.ac.jp+8kyoto-u.ac.jp+8
ニチニチソウのこぼれ種の基本知識
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | ニチニチソウ(日々草) |
学名 | Catharanthus roseus |
特徴 | 一年草だがこぼれ種で翌年も咲くことがある |
分布 | 原産地はマダガスカル、世界中で栽培 |
栽培 | 高温・乾燥に強く初心者にも育てやすい |
注意点 | 全草に毒性あり、食用不可 |
ニチニチソウは勝手に増える?
ニチニチソウは一年草でありながら、こぼれ種によって翌年も花を咲かせることがあります。この項目では「勝手に増える」とはどういう状態なのか、そしてどのような条件でそれが実現するのかを整理します。
自然に芽を出すケースがある一方で、必ずしも毎年増えるとは限りません。
ニチニチソウは、そのかわいらしい花姿でガーデニングを彩る人気の植物です。こぼれ種で増えることもありますが、より確実に、そして理想的な環境で育てたい場合は、質の良い培養土の利用をおすすめします。通気性と水はけの良い培養土は、こぼれ種の発芽を助け、健康な生育を促します。
勝手に増える可能性がある環境
暖地など、冬に霜が少なく地温が安定している地域では、ニチニチソウのこぼれ種が自然に越冬し、春に発芽することがあります。これは「こぼれ種が生育環境に適応している」ためです。
また、雨が直接当たらない軒下や、乾きやすいプランターなどでは、種が腐りにくく、翌春の自然発芽が期待できます。
環境条件 | 発芽の可能性 | コメント |
---|---|---|
霜が少ない地域 | 高い | 地温が確保され発芽しやすい |
湿気が多い場所 | 低い | 種が腐敗する可能性が高い |
軒下やプランター | 中程度〜高い | 適度に乾燥し、種が保存されやすい |
勝手に増えない原因とは
一方で、自然に増えないケースもあります。寒冷地ではこぼれた種が冬の寒さで凍結し、発芽前に死滅することが多いです。また、発芽適温に達しない春が続くと、たとえ種が残っていても芽吹くことがありません。
加えて、植えている品種によっても影響があります。F1品種と呼ばれる交配種の場合、こぼれ種から育った花は親とは異なる性質を持つことがあり、発芽しても期待した花が咲かない可能性があります。
放任によるトラブルと対策
勝手に増えるのは手間がかからない反面、想定以上に発芽して密集状態になると、風通しが悪く病気の原因になります。また、複数の品種が混ざることで雑種化し、花色や草姿が乱れることもあります。
このため、自然発芽に任せる場合でも、間引きや場所のコントロールが必要になります。適切に管理することで、楽しみながら自然繁殖のメリットを活かせます。
こぼれ種の発芽条件と対策
ニチニチソウのこぼれ種が芽を出すには、いくつかの環境条件がそろう必要があります。ここでは発芽に影響する要素と、意図的に増やしたい場合・逆に増やしたくない場合の対策方法を紹介します。
正しい知識を持つことで、無駄な手間を省きながら効果的に管理できます。
発芽に必要な基本条件
ニチニチソウの種は「好暗性」であり、光を避けることで発芽が促されます。気温は20〜25℃が理想で、15℃を下回ると発芽しにくくなります。土壌が湿り過ぎていると種が腐る原因になるため、水はけの良い培養土を使うことが推奨されます。
条件項目 | 発芽の目安 |
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地温 | 20~25℃で安定 |
覆土の厚さ | 2~3mm |
光の有無 | 光を遮断(好暗性) |
土の性質 | 通気性があり水はけが良いもの |
水やり | 土表面が湿る程度、過湿は避ける |
発芽させたいときの工夫
種まきの際は、卵パックやポリポットを活用すると管理がしやすくなります。卵パックはセルごとに水分や温度管理が可能で、発芽率を上げる助けになります。まいた後に新聞紙などで覆い、数日間光を遮っておくとより発芽が安定します。
また、夜間に冷え込む地域では、日中は日差しのある場所に出し、夜は室内に取り込むことで温度を保つことができます。
ニチニチソウの種まきを成功させるには、適切な温度と湿度管理が重要です。特に卵パックは、手軽にミニ温室として利用でき、発芽率を高めるのに役立ちます。もし卵パックの用意が難しい場合や、より本格的に育苗を始めたい場合は、育苗ポットが便利です。個別に管理できるため、根を傷つけずに植え替えができ、丈夫な苗を育てられます。
増えすぎを防ぐための対策
ニチニチソウの種が自然にこぼれて広がると、翌年に予期しない場所から芽が出ることもあります。これを防ぎたい場合は、花がらをこまめに摘み取り、種ができる前に処分します。また、秋に土を軽く耕してこぼれ種を深く埋めることで、春の発芽を抑えることができます。
ニチニチソウのこぼれ種が増えすぎるのを防ぐには、花がら摘みが効果的ですが、広範囲にわたる場合は手間がかかります。そんな時は、軽量で扱いやすい園芸用ハサミがあると便利です。こまめに花がらを摘み取ることで、種ができる前に処分でき、翌年の予期せぬ発芽を抑えられます。
こぼれ種の冬越しは可能?
冬越しができるかどうかは、ニチニチソウの栽培において大きな関心事です。特にこぼれ種が冬を越せるのかを知っておけば、翌春の作業を最小限に抑えられます。
ここでは、こぼれ種が自然に越冬できる条件と、失敗を防ぐための注意点をまとめます。
冬越しの成否は地域差が大きい
ニチニチソウは本来、熱帯~亜熱帯を原産とする一年草であり、寒さには強くありません。そのため、種が冬を越すかどうかは主に「気温と湿度」の条件によります。
地域タイプ | 冬越しの可能性 | 解説 |
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関東以南(温暖) | 高め | 土中の温度が下がりにくく、種が生き残りやすい |
東北・北海道 | 低い | 土が凍結し、種が死滅することが多い |
内陸部 | 中程度 | 日中は暖かくても朝晩の冷え込みが厳しい |
特に霜が降りる地域では、種の細胞が凍結によって壊れてしまうため、翌年の自然発芽は期待しにくくなります。
冬越しを助けるためのポイント
種が自然に冬を越すには、いくつかの環境づくりが効果的です。例えば、植え場所を霜の当たりにくい軒下にすることで、直接的なダメージを軽減できます。また、落ち葉や腐葉土で覆土を増やして保温効果を高める方法もあります。
こぼれ種が落ちた場所に小さなマルチングを施すだけでも、地温の低下を緩和することが可能です。
春に備えた予備の対策も有効
自然越冬に頼るだけではリスクもあるため、種を一部回収して室内で保管しておくのも賢明な方法です。春になってからあらためて種まきを行えば、発芽のタイミングもコントロールでき、失敗の可能性が減らせます。
つまり、こぼれ種での冬越しは「できる場合もあるが、確実ではない」という立場で捉えることが重要です。自然環境を味方につけつつ、リスク管理としての保管も併用するのが理想的です。
ニチニチソウの種保存方法とは
ニチニチソウの種を長く楽しむためには、正しい方法での保存が欠かせません。特に自家採取したこぼれ種を春まで保つためには、湿気・高温・直射日光を避けた保管が基本となります。
この項目では、家庭でできる具体的な保存方法を段階的に紹介します。
採取のタイミングと準備
種の採取は、花が終わってから約1~2週間後が目安です。実が膨らみ、茶色く乾燥してきたら中の種が成熟している証拠です。中には黒くて小さい種があり、乾いた状態で簡単に取り出せます。
採取後は新聞紙やキッチンペーパーの上に広げ、風通しのよい場所で2~3日間陰干しします。しっかりと乾燥させることで、保存中のカビや腐敗を防ぐことができます。
適した保存容器と保管場所
乾燥後の種は、通気性のある紙袋や封筒、または乾燥剤とともにチャック付きポリ袋に入れて保存します。ポイントは「湿気を避けること」。密閉容器を使う場合は乾燥剤を必ず同封しましょう。
保存容器の種類 | 特徴 | おすすめ度 |
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紙袋・封筒 | 通気性があり湿気がこもりにくい | 高 |
チャック付きポリ袋+乾燥剤 | 密閉できるが湿気対策が必要 | 中〜高 |
プラスチック容器のみ | 結露が発生しやすくカビの原因に | 低 |
保存場所としては、直射日光を避けた冷暗所が最適です。例えば、引き出しの中や北側の棚の奥などが適しています。冷蔵庫に入れるという方法もありますが、温度差で結露が生じるリスクもあるため、取り扱いには注意が必要です。
保存期間と発芽率の関係
ニチニチソウの種は正しく保存すれば約1年程度は高い発芽率を保てますが、それを過ぎると徐々に発芽力が落ちてきます。古い種を使う場合は、余分にまいておくと失敗を防ぎやすくなります。
なお、種袋に日付を記入しておくと、どの種がいつ採取されたものかが分かりやすくなり、管理もスムーズです。
ニチニチソウの種まき時期を解説
ニチニチソウの栽培を成功させるためには、適切な「種まきのタイミング」を知っておくことが重要です。このセクションでは、地域や育て方に応じた種まき時期の目安や、種まきに適した気温条件などを解説します。
家庭菜園初心者の方でも実践しやすいよう、ポイントを押さえて紹介します。
地域別の種まき時期の目安
ニチニチソウの発芽適温は20〜25℃です。そのため、寒さが和らぎ、地温が安定してくる春が種まきに適しています。以下の表は、地域ごとのおおよその種まき時期をまとめたものです。
地域区分 | 種まき開始の目安 | 注意点 |
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暖地(九州・四国・関西など) | 3月下旬〜4月上旬 | 遅霜が心配な場合は屋内播種 |
中間地(関東・東海など) | 4月中旬〜5月上旬 | 夜間の冷え込みに注意 |
寒冷地(東北・北海道など) | 5月中旬〜6月初旬 | 地温が十分に上がってから播種 |
このように、気温の安定を確認してから種まきを行うことで、発芽率を高めることができます。
室内育苗と直まきの違い
種まきには「直まき」と「育苗してから定植」の2つの方法があります。育苗では、卵パックやポットで苗を育ててから植え替えるため、寒さを避けて管理しやすいというメリットがあります。
直まきは手間がかからず自然に育てやすいですが、気温の変化や雨による影響を受けやすく、失敗するリスクもあります。初心者には育苗方式がおすすめです。
失敗しにくい種まきタイミングとは
最も避けたいのは、「早まき」による発芽不良です。暖かい日が続いていても、夜間の冷え込みがあるうちは発芽が不安定になります。最低気温が15℃を超えるようになってから播種することで、安定した生育が見込めます。
また、発芽後すぐに日照不足になると徒長してしまうため、日当たりの良い場所で管理することも重要です。
ニチニチソウのこぼれ種の育て方実践
卵パックでの種まき方法
ニチニチソウの種まきを省スペースかつ管理しやすく行いたい場合、卵パックを使った方法がとても便利です。再利用できる上に、初心者でも扱いやすく、発芽管理にも向いています。
このセクションでは、卵パックを使った実際の手順と、注意点を具体的に解説します。
卵パックを使うメリット
卵パックは12個のセルに分かれており、それぞれが独立しているため、1粒ずつ丁寧に種をまくことができます。透明のフタ付きタイプであれば、発芽までの保温・保湿効果も高く、ミニ温室のように利用できます。
さらに、根がある程度育つまでそのまま管理できるため、植え替えのタイミングも把握しやすくなります。
利用ポイント | 効果 |
---|---|
セルごとに管理可能 | 発芽状況の観察がしやすい |
フタ付きの保温効果 | 地温・湿度が安定しやすくなる |
コンパクトな設置 | 室内の窓辺やベランダでも使える |
実際の作業手順
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卵パックに排水用の穴をあけ、底に湿らせた種まき用の土を入れます。
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各セルに1〜2粒ずつ種を置き、薄く2〜3mmの土で覆土します。
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スプレーボトルで優しく水をかけ、フタを閉めて明るい日陰に置きます。
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発芽までは土が乾かないように注意し、フタ内が曇るようなら湿度は十分です。
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発芽後はフタを開け、日当たりの良い場所へ移して管理します。
このように卵パックは手軽でコストもかからない方法として広く活用できます。苗が本葉を2~3枚出したら、根が回りすぎる前にポットや花壇に移植しましょう。
注意点と管理のコツ
卵パックは水はけが悪くなりやすいため、底穴を十分に開けることが大切です。また、直射日光の下ではフタ内が高温になりすぎるため、明るい半日陰での管理が基本です。
発芽後に徒長してしまった苗は、深めに植え直すことである程度矯正可能です。しっかりとした苗に育てるためにも、日照・通風・水分のバランスを保つことが成功のカギになります。
こぼれ種から育つデメリットと活用するメリット
ニチニチソウのこぼれ種は、手を加えなくても翌年に芽を出すことがあります。しかし、そのまま放任するだけでは思わぬトラブルにつながることも。一方で、うまく活用すれば管理の手間やコストを減らすことも可能です。
このセクションでは、こぼれ種から育てることの“損得”を整理して紹介します。
こぼれ種のデメリットとは?
自然に発芽した苗は、一見お得に思えますが、いくつか注意すべき欠点もあります。
1つ目は発芽場所のコントロールが難しいことです。花壇の縁や歩道の隙間など、予期しない場所から芽を出し、美観や他の植物との調和を乱す場合があります。
2つ目は花色や形が予想と異なることです。市販のニチニチソウはF1品種が多く、こぼれ種から生えた株は親とは異なる性質を持つことがあり、花の色や草姿がばらつきやすくなります。
3つ目は過密状態になるリスクです。発芽が集中すると風通しが悪くなり、病気の原因になります。
デメリット項目 | 内容 |
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発芽位置が不規則 | 意図しない場所で芽を出す可能性がある |
品種の性質が不安定 | 花の色や大きさが親と異なるケースが多い |
苗が密集しやすい | 間引きが必要で管理の手間がかかる |
メリットを活かす工夫
一方で、こぼれ種の活用には多くの利点もあります。最大のメリットはコストがかからないことです。種まきや苗の購入が不要になり、自然に次世代の株を育てられます。
さらに、こぼれ種から育つ株はその環境に適応しやすい特徴があります。前年と同じ場所で発芽するため、土壌や日当たりなどが苗にとってストレスになりにくく、結果として丈夫な個体に育ちやすくなります。
また、こぼれ種による繁殖は、自然なナチュラルガーデンの演出にもつながります。規則的に配置された苗では出せない、自然な風合いが魅力です。
上手な使い分けがカギ
このように、こぼれ種の活用にはメリットとデメリットが共存します。望まない発芽を防ぎつつ、育ちの良い苗を選抜・定植することで、費用を抑えつつ理想的な花壇づくりが実現できます。
自分のガーデニングスタイルに合わせて、「活かす種」と「処分する種」を使い分ける視点が大切です。
こぼれ種でも花が咲く理由
「こぼれ種なのに、きちんと花が咲いた!」という体験をした人も多いでしょう。ニチニチソウはこぼれた種からでも見事な花を咲かせることがありますが、なぜそんなことが可能なのでしょうか?
このセクションでは、発芽から開花に至るまでの植物のしくみと、こぼれ種でも生育できる理由を解説します。
ニチニチソウの生命力と環境適応性
ニチニチソウは、もともと高温と乾燥に強い性質を持っています。こぼれた種も、冬越しや春の気温上昇に応じて自然に発芽し、適応力の高さで生育していきます。
実際には、以下のような条件がそろうと、こぼれ種からでも花を咲かせやすくなります。
条件 | 影響 |
---|---|
気温が20℃前後 | 発芽に適しており、生長も順調に進む |
通気性の良い土 | 根の発達が良くなり、花つきが安定する |
適度な湿度 | 発芽後の初期生育を助けるが、過湿はカビの原因になる |
このように、自然の流れにうまく乗ることで、苗としてのポテンシャルを最大限に発揮できるのです。
F1品種でも花は咲く
こぼれ種から育った苗が、F1品種のように“親と違う形や色の花”を咲かせることはあります。ただし、これは開花しないわけではなく、「花の特徴が違うだけ」であることがほとんどです。
つまり、遺伝的には安定していないとしても、生理的には「開花する力」をしっかり持っているということです。
株が若返ることで開花が促進される
こぼれ種からの新芽は、前年の株よりも若くエネルギーに満ちた状態です。古い株よりも葉や茎の成長が早く、初夏には自然と花芽をつけやすくなります。
つまり、こぼれ種からの株は「自然な更新」として、植物全体の健全な循環に貢献しているとも言えるでしょう。
このように考えると、こぼれ種でも花が咲くのは、単なる偶然ではなく「植物が本来持つ力と環境との相互作用」の結果であると理解できます。
ニチニチソウのこぼれ種Q&Aまとめ
こぼれ種に関する疑問は、初心者ほど多く感じやすいものです。ここでは、よくある質問をQ&A形式で整理し、短くわかりやすい答えとともに解説します。
ニチニチソウのこぼれ種をうまく活用したい方は、まずここをチェックしてみてください。
Q1. ニチニチソウのこぼれ種は必ず発芽する?
A. 必ず発芽するとは限りません。気温・土壌・湿度などの条件が揃わないと、発芽しないことがあります。特に寒冷地では冬越しが難しく、種が死滅する可能性が高くなります。
Q2. こぼれ種から育った花は元の品種と同じ?
A. 多くの場合、異なります。市販されているニチニチソウの多くはF1品種と呼ばれる交配種であり、こぼれ種から育つと花の色や大きさが親と異なることがよくあります。
種類 | 特徴 | 次世代の特徴 |
---|---|---|
F1品種 | 見た目がそろいやすく開花時期も安定 | 子世代はばらつきが出やすい |
在来品種(OP) | 自家採種でも親に近い形質が出やすい | 花色も比較的安定 |
Q3. こぼれ種はいつ発芽する?
A. 一般的には、気温が20℃前後になる春先に発芽します。地域によって3月下旬〜5月中旬までの間が目安です。秋に発芽することもありますが、冬越しできずに枯れてしまうケースが多くなります。
Q4. 花が咲いたら、またこぼれ種になるの?
A. はい。花が終わった後に種ができ、そのまま放っておくとこぼれ落ちて再び翌年に発芽する可能性があります。ただし、種が地中に潜り込みすぎると発芽率は下がります。
Q&A形式を活用することで、断片的な疑問もスムーズに解消できるようになります。
こぼれ種からの間引きと管理
こぼれ種が発芽して育ってくると、予想以上に多くの苗が密集することがあります。この状態を放置すると、生育が悪くなったり病害虫が発生しやすくなったりするため、適切な間引きと管理が必要です。
このセクションでは、間引きのタイミングや方法、育った苗の整理方法までを具体的に紹介します。
発芽後すぐの観察と準備
発芽したばかりの段階では、本葉が2〜3枚程度出るまで待ちます。双葉の時点では苗の勢いを見分けにくいため、やや成長してから間引く方が無駄がありません。
間引きの目安 | 状態 |
---|---|
発芽直後 | 双葉のみで、まだ見分けにくい |
本葉2〜3枚 | 成長の良し悪しが判断しやすくなる |
本葉4枚以上 | 根が絡みやすくなるため早めに間引く |
間引きの方法と注意点
間引く際は、手で引き抜くよりもハサミで株元をカットする方法が安全です。無理に引っ張ると、隣の健全な苗の根も一緒に傷つけてしまうリスクがあります。
間引く基準は「生育が遅れている」「茎が細すぎる」「色が薄くて元気がない」などです。逆に、茎が太くしっかり立っているものは、良苗として残します。
間引き後は、株間を3~5cm以上空けることで、風通しが良くなり病害虫のリスクを減らすことができます。
管理方法とその後の手入れ
間引いた後は、水はけと日照を重視した環境で育てます。土が乾きすぎないよう適度に水を与え、追肥は本葉が4~5枚になった頃から少量ずつ始めるとよいでしょう。
こぼれ種由来の苗は発芽時期がバラバラになることもあります。そのため、一度に全部を間引くのではなく、数日おきに様子を見ながら少しずつ調整していくと、健全な苗を見極めやすくなります。
間引きと管理をしっかり行えば、こぼれ種からでも立派な花壇をつくることができます。手をかける部分は最小限に、成果は最大限にするのが理想です。
種から育てる時の注意点
ニチニチソウを種から育てる場合、市販の苗を植えるのとは異なるポイントに注意が必要です。発芽から開花までの過程を順調に進めるには、いくつかのコツと気をつけるべき点があります。
この項目では、初心者がつまずきやすいポイントや育苗中に起こりがちな失敗例を交えて解説します。
発芽環境を整えることが最優先
発芽には「適温・湿度・光」の3要素が重要です。特にニチニチソウは好暗性種子(光を嫌うタイプ)なので、種まき後にしっかり覆土する必要があります。覆土が薄すぎると光に反応して発芽しづらくなります。
また、種が乾燥したり過湿になったりすると発芽率が落ちます。表土が乾かないよう霧吹きで水やりしながら、発芽までの1週間程度は明るい日陰で管理するのが理想です。
要素 | 適正条件 | 注意点 |
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発芽温度 | 20〜25℃ | 15℃以下では発芽が遅れる |
覆土 | 2〜3mmの薄い層 | 厚すぎると光を遮断しすぎて腐る |
湿度管理 | 土表面が常に湿っている | 水をかけすぎるとカビが発生しやすい |
徒長・蒸れに注意する
発芽後の苗がひょろ長くなる「徒長」は、光が足りないか、水を与えすぎて根が弱くなっている場合に起こります。苗が倒れてしまう原因にもなるため、発芽後はしっかり日光に当てることが大切です。
風通しも育成に大きく関わるため、ビニールカバーを使っている場合は、発芽後すぐに外して通気性を確保しましょう。特に梅雨時期は蒸れやすくなるので注意が必要です。
育苗中の植え替え時期を見極める
種から育てると、ポットや卵パックの中である程度苗が育った段階で植え替え(定植)が必要になります。目安は本葉が4~5枚出た頃で、この時期を逃すと根詰まりを起こして生育が鈍くなることがあります。
植え替えの際は、根鉢を崩さず優しく扱うのが基本です。特にニチニチソウは根を傷めると回復が遅いため、土ごと移すようにしましょう。
使用する土や容器にも気を配る
播種用の土は通気性と保水性のバランスが重要です。市販の「種まき・挿し木用土」は粒子が細かく、発芽率も安定しやすいので初心者に向いています。
また、使用する容器も水はけの良いものを選び、底に穴をあけて排水性を確保することが大切です。卵パックや育苗ポットを使う場合でも、水がたまらないような工夫が必要です。
ニチニチソウのこぼれ種の特徴と育て方のまとめ
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こぼれ種から自然発芽するが毎年確実ではない
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暖地では発芽しやすく寒冷地では越冬が難しい
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発芽には地温20〜25℃と好暗性の条件が必要
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湿気が多い環境では種が腐敗しやすい
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卵パックは発芽管理に便利でコストもかからない
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F1品種のこぼれ種は親と異なる花が咲くことがある
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予想外の場所で発芽するため管理が必要
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種は乾燥させて冷暗所に保管することで約1年保存可能
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冬越しには軒下や落ち葉のマルチングが効果的
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花が終わったら早めに摘み取ると発芽数を調整できる
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種まきは地域により3月〜6月が目安
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本葉が2〜3枚出たら間引きを行うのが理想的
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育苗中は徒長や蒸れを防ぐため日照と通風を確保する
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株間を確保することで病害虫のリスクを減らせる
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自然繁殖と人工管理を組み合わせることで安定して育てられる