観葉植物のある暮らし、運営者のユウスケです。造園技能士として、これまでいろいろなご家庭の庭づくりをお手伝いしてきました。
庭クローバーで検索しているあなたは、おそらく「芝生より気楽そう」「雑草対策になりそう」「四つ葉も見つかったら楽しそう」みたいなイメージを持っているかなと思います。庭のクローバー育て方や庭のクローバー種まきのコツ、庭のクローバー園芸の始め方などを調べていて、「うちの庭にも合うのかな?」とワクワクと不安が半分ずつ、という感じではないでしょうか。
一方で、庭のクローバーメリットだけでなく、庭のクローバーデメリットや、雑草対策として本当に機能するのか、庭のクローバー除去や駆除が大変という話も見かけて、「あとから後悔しないかな…」とブレーキもかかっているはずです。芝生代わりの庭のクローバーにするか、ほかの庭のグランドカバーにするか、決めきれないところですよね。
さらに、ペットと暮らしている方だと、庭のクローバーペット安全なのか、庭のクローバー犬が少し食べても平気なのか、水やりの手間や庭のクローバー水やりの頻度、あまり日当たりがよくない場所で庭のクローバー日陰でも育つのか、真夏に庭のクローバー夏に枯れるリスクはどれくらいあるのかなど、気になるポイントは一気に増えてきます。
シロツメクサ育て方をしっかり理解してから地植えすべきか、マイクロクローバー芝生との違いを把握しておくべきか、庭で四つ葉のクローバーを探せたら楽しそうだけれど、本当に自分の庭に合う選択なのか…。そんなふうに迷っているあなたに向けて、この記事では、庭クローバーを安易に地植えする前に「必ず知っておいてほしい現実」と、慎重に検討するための判断材料を、造園の現場目線で正直にお話ししていきます。
この記事を読み終わるころには、「うちの庭にクローバーを地植えするか」「あえてクローバーはやめて別の方法を選ぶか」を、自分の頭で納得して決められるようになるはずです。一緒に整理していきましょう。
- 庭クローバーを地植えする前に知るべき基本知識
- クローバーのメリットと、それ以上に大きくなりがちなデメリット
- 増えすぎたときの除去・駆除方法と、現実的な代替案
- ペットや子どもがいる庭での、安全な選び方と考え方
庭クローバーを検討する前に
ここでは、庭クローバーを「なんとなく良さそう」で選ばないために、まず押さえておきたい基本情報を整理します。クローバーがどういう植物で、どう増え、どんな手入れが必要になるのかを知っておくと、「そもそもクローバーじゃない方がいい庭」もはっきり見えてきますよ。
庭クローバーで迷う人の基本知識
庭クローバーで迷っているとき、最初に知ってほしいのは「クローバーは、かわいい顔をしたかなりタフな植物」という点です。シロツメクサをはじめとしたクローバー類はマメ科の多年草で、根元から地面をはうように伸びるランナー(匍匐茎)と、こぼれ落ちた種の両方で、じわじわと勢力範囲を広げていきます。
庭に使われる主な種類としては、
- 葉が大きく、白い花が咲く定番のシロツメクサ系クローバー
- 葉が小さく密度の高いマイクロクローバー
- 葉色が赤やブロンズ系のティントクローバーなどのカラーリーフタイプ
などがあり、それぞれ見た目の雰囲気はけっこう違います。ただ、共通しているのは「条件が合うとかなりの勢いで庭を覆っていく」ことです。写真で見るとふわっとした緑のじゅうたんですが、現場の感覚としては「油断するとあらゆるすき間に入り込むグランドカバー」というイメージに近いですね。
庭にクローバーを植えるときは、最初から「自然と増える植物」ではなく「放っておくと確実に増えすぎる植物」だと認識しておくと、判断を間違えにくくなります。
もうひとつ大事なのが、「一度地植えすると、完全にリセットするのがかなり大変」という現実です。クローバーは根が浅いとはいえ、細かい根とランナーが広く張り巡らされるので、地表だけを刈っても、地下が生きているかぎりまた復活します。数年たってから庭のデザインを変えたくなったとき、「クローバーだけをきれいに抜く」というのは、正直かなりの重労働です。
特に、
- 隣の家との境界があいまいな庭
- 花壇や家庭菜園、砂利敷きなど異なる仕上げが混ざっている庭
- インターロッキングやレンガ敷きのすき間が多い庭
などでは、クローバーが思わぬところまで入り込んでしまい、のちのち「ここまで広がると思っていなかった…」と相談されるケースも多いです。こうした「グランドカバーを植えてはいけない庭」の条件については、グランドカバーを植えてはいけない庭の注意点とおすすめ対策でも詳しくまとめています。
庭クローバーを検討するときは、「かわいい」「ふみごこちが良さそう」といったプラス面と同じくらい、戻したくなったときの大変さもセットでイメージしておくのが大切ですよ。
初心者向け庭のクローバー育て方と種まきと園芸準備
それでも「やっぱり少しは庭クローバーを試してみたい」という場合、いきなり庭全面をクローバーに変えるのではなく、小さなエリアや鉢・プランターで様子を見るステップから始めるのがおすすめです。ここでは、初心者向けに無理のない庭のクローバー育て方と、種まきと園芸準備のポイントをまとめます。
どのくらいの面積から始めるか
最初は、
- 通路脇の帯状のエリア
- 花壇の手前の30〜50cmほどのスペース
- 直径30〜40cm程度の鉢・プランター
くらいのサイズ感からスタートすると、増え方や管理の手間を体感しやすく、失敗してもやり直しがききます。庭全面をクローバーにした写真をSNSで見ると「うちも一気にやりたい」と思いがちですが、現場目線では「まずはテスト導入」一択です。
種まきと園芸準備の基本ステップ
種から育てる場合の流れは、おおよそ次のような感じです。
- スコップや鍬で、土を20cmほど掘り返してやわらかくする
- 石や古い根っこを取り除き、できるだけ細かい粒状にほぐす
- 水はけが悪い場合は、腐葉土や川砂を混ぜて排水性を高める
- 土表面を平らにならし、クローバーの種を砂と混ぜて薄くまく
- ごく薄く覆土(種が隠れる程度)し、じょうろで優しく水やりする
クローバーの種はかなり細かいので、そのまままくと一部に偏りがちです。あらかじめ乾いた砂と混ぜておくと、全体にふんわり広がってくれます。庭のクローバー種まきは、春(3〜6月)と秋(9〜11月)が一般的な適期で、極端に暑い時期と寒い時期は避けた方が発芽が安定します。
苗からスタートするのもアリ
園芸店でクローバーのポット苗が手に入るなら、種より苗から始めるのも良い方法です。苗を30cmおきくらいに植えておけば、ランナーが伸びて1〜2シーズンでだいぶ地面を覆ってくれます。苗植えの場合も、植え穴の周りはしっかり耕しておくと根張りが良くなります。
いずれの方法でも言えるのは、「試す面積を欲張らないこと」。管理できる範囲で少しずつ広げていく方が、結果的にストレスが少ないです。
園芸初心者のあなたは、「まずはプランターや花壇の一角でクローバー育て方を試してみる → 手間や増え方を実感してから地植えエリアを広げる」という二段階の進め方が、いちばん失敗しにくいかなと思います。
水やりと日陰管理と夏に枯れる原因対策
庭のクローバー水やりや日当たりの管理は、「手間が少なそう」というイメージと、実際の管理の現実にギャップが出やすい部分です。また、庭のクローバー夏に枯れるトラブルも、実はかなりよく相談されるテーマなんですよね。ここで一度、季節ごとのポイントを整理しておきましょう。
水やりの基本イメージ
クローバーは、完全な乾燥に強いわけではありませんが、常にベチャベチャに湿っているのも苦手です。水やりのめやすをざっくりまとめると、
- 発芽〜根付くまで:表面が乾ききる前に、軽めの水やりをこまめに
- 根付いたあとの春・秋:基本は雨まかせ、極端に乾きそうなときだけ補助
- 真夏:夕方〜夜にたっぷり水やりして、日中の蒸れを防ぐ
という感じです。特に種まきから1〜2ヶ月の間は、表土がカチカチに乾燥すると発芽が揃わなかったり、芽が消えてしまったりするので注意が必要です。一方で、常にびしょびしょの状態が続くと、根がうまく呼吸できず、病気の原因にもなります。
日当たりと日陰のバランス
庭のクローバー日陰OKと書かれている情報も多いですが、実際は「半日陰くらいがちょうどいい」ことが多いです。1日中日が当たるカンカン照りの場所だと、真夏に葉焼けを起こしやすく、逆にほぼ日が当たらない北側の壁際などでは、葉がひょろひょろに伸びて密度が出にくくなります。
庭の環境としておすすめなのは、
- 午前中に日が当たり、午後は建物の影になる場所
- 落葉樹の足元(夏は木陰、冬は日が入る)
など、季節や時間帯で日差しが変化するエリアです。こうした場所なら、真夏のダメージも和らぎ、冬の日差しもほどよく入るので、年間を通して安定しやすいですよ。
「夏に枯れる」原因と対策
毎年のように相談されるのが、「春までは綺麗だったのに、梅雨〜夏にかけて庭のクローバー夏に枯れる」というパターンです。多くの場合、原因は次のような組み合わせです。
- びっしり密生しすぎて、地表の風通しが悪くなっている
- 長雨と高温多湿で地表が蒸れ、根が弱ってしまう
- 日当たりが強すぎて、葉が焼ける
対策としては、
- 梅雨入り前に全体を軽く刈り込んで、葉を少し減らしておく
- 真夏の直射日光がきつい場所では、遮光ネットや鉢植えの移動で調整する
- 水やりは朝ではなく、夕方〜夜に行い、日中の蒸れを減らす
などが有効です。完全に枯れ込んでも、根が生きていれば秋にまた復活するケースも多いので、「一度枯れたら終わり」と思い込まず、秋まで様子を見てあげるといいですよ。
とはいえ、毎年のように夏のダメージと復活を繰り返す管理は、それなりに手間と気力が必要です。「夏場の管理が少ない植物がいい」と思っているなら、庭クローバー以外の選択肢も検討してみる価値があります。
シロツメクサ育て方と庭クローバー雑草対策とメリット
庭クローバーの代表格であるシロツメクサは、「雑草対策にもなる」「土が良くなる」といったメリットがよく語られます。ここでは、シロツメクサ育て方のポイントと、庭のクローバー雑草対策としての実力について、もう少し踏み込んで見ていきます。
シロツメクサの育て方と特徴
シロツメクサは、日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でもそこそこ育ちます。根は比較的浅いものの、細かい根とランナーが横に広がるので、うまくいけば数年でかなり密度の高いグリーンカーペットになります。
育て方のポイントとしては、
- 極端に水はけの悪い粘土質の土は避ける(腐葉土や砂で改良する)
- 種まき直後だけは乾燥に注意し、その後はやや乾き気味を好むと意識する
- 伸びすぎる前に、年数回は刈り込みや踏み込みで高さをコントロールする
といった点が挙げられます。特に、草丈が20cm以上まで伸びてしまうと、見た目が一気に「もさっ」としてしまうので、早めの対応が大事です。
雑草対策としての力と限界
シロツメクサがよく評価される理由のひとつが、「地面を覆って雑草の芽を抑える」という点です。実際、密度の高いクローバーの下では、背の低い一年草雑草はかなり生えにくくなりますし、土がむき出しにならないので、雨による泥はねも減ります。
海外の事例になりますが、白クローバーをカバークロップとして使うことで、雑草抑制や窒素供給などの効果が確認されている報告もあります(出典:米国農務省自然資源保全局 NRCS「White Clover Cover Crop Fact Sheet」)。
ただし、ここで誤解してほしくないのは、
- 「クローバーさえ植えれば、完全に雑草ゼロ」になるわけではない
- 背の高い多年草雑草(スギナ、チガヤなど)はクローバーの中からも出てくる
- クローバー自体も、管理を怠ると「雑草化」してしまう存在である
という現実です。つまり、クローバーはあくまで「雑草を減らす助けになるグランドカバー」であって、「何もしなくても雑草が生えない魔法のじゅうたん」ではないんですよね。
土づくりのメリット
クローバーはマメ科なので、根に共生する根粒菌の働きで空気中の窒素を土に固定してくれます。これにより、やせた土でも少しずつ肥沃になったり、隣の植物にとってもプラスになったりすることがあります。ただし、この効果も「クローバーが健康に育っていること」が前提なので、無条件に土が豊かになると期待しすぎない方がよいです。
庭のクローバー雑草対策や土づくりのメリットは確かにありますが、その分「クローバー自身の管理」という新しい仕事が増えることも忘れずに検討してください。
なお、ここで紹介している内容は、あくまで一般的な傾向や事例に基づくもので、土質や気候によって効果は変わります。正確な情報は、各種公式機関や研究機関の資料も参考にしつつ、最終的な判断はお近くの専門家に相談してもらえると安心です。
マイクロクローバー芝生との違いとグランドカバー比較
最近とくに人気が出ているのが「マイクロクローバー」です。葉が小さく高さも低くまとまりやすいので、「芝生代わりに良さそう」と注目されることが増えてきました。ここでは、マイクロクローバーと芝生の違い、そしてほかのグランドカバーとの比較ポイントを整理します。
マイクロクローバーと芝生の違い
ざっくり比較すると、次のようなイメージになります。
| 項目 | 芝生 | マイクロクローバー |
|---|---|---|
| 見た目 | 均一で整った芝のじゅうたん | 細かい葉がびっしり、ややラフ |
| 草丈 | 品種次第、伸びると15cm以上 | 比較的低く、10cm前後で安定 |
| 手入れ | 定期的な芝刈りが必須 | 芝より刈り込み頻度は少なめ |
| 踏み心地 | 弾力があり運動向き | 柔らかく、素足でも心地よい |
| 雑草抑制 | 密度次第で高い | よく茂ればかなり高い |
| 増え方 | ランナーで広がる品種も | ランナーと種で広範囲に拡大 |
マイクロクローバーは、芝生に比べると「ナチュラル寄りの見た目」で、ところどころ花が咲いたり、葉色に変化が出たりします。きっちりしたゴルフ場のような仕上がりを目指すなら芝生、自然な雰囲気を楽しみたいならマイクロクローバー、というざっくりしたイメージで考えるとわかりやすいかもしれません。
ほかのグランドカバーとの比較
庭クローバーを検討するとき、同じ「地面を覆う植物」としてよく比較されるのが、ヒメイワダレソウやクラピア、クリーピングタイムなどです。それぞれ、
- ヒメイワダレソウ・クラピア:踏みつけに強く、密度が高いが、こちらも繁殖力がかなり強い
- クリーピングタイム:花がきれいで香りも良いが、踏みつけにやや弱い部分もある
- 芝生:管理は手間だが、遊び場としての使い勝手は良い
といった特徴があります。特にクラピアは、クローバー以上に「植える場所を選ぶ」タイプのグランドカバーなので、クラピアを植えてはいけない?栽培前に知るべきデメリットなどもチェックしながら、慎重に比較してもらうとよいですね。
共通して言えるのは、「よく広がる植物ほど、コントロールも必要」ということです。庭クローバーもその一つで、初期費用が安くても、あとからの手間やリフォームしづらさを考えると、結果的に高くつく場合もあります。
グランドカバー選びは、見た目だけでなく、将来の庭の使い方やライフスタイルも含めて考えるのがポイントですよ。
庭クローバーを導入する判断軸
ここからは、実際に庭クローバーを導入するかどうかを決めるための「判断軸」を整理していきます。クローバーのデメリットや増えすぎたときの大変さ、ペットがいる場合の注意点をしっかり理解したうえで、「うちの庭には合うのか」を一緒に考えていきましょう。
クローバーのデメリットと注意点
まず押さえておきたいのは、クローバーのデメリットは「最初はあまり表に出ず、数年後にじわじわ効いてくる」という点です。植えて1〜2年は、「かわいいし、雑草も減ったし、最高かも」と感じることも多いのですが、3年目あたりから「ん? 増えすぎてない?」と違和感を覚えるケースが目立ってきます。
代表的なデメリット
- 繁殖力が強く、意図しない場所まで広がる
- 密度が上がると蒸れやすく、梅雨〜夏に広範囲に枯れ込むリスク
- 草丈を抑えるには、踏みつけや刈り込みなどの定期的な管理が必要
- びっしり茂ると、ナメクジやダンゴムシ、クモなどの隠れ家になりやすい
特に、レンガ敷きやインターロッキングのすき間、砂利敷きエリアにまでランナーが入り込むと、「抜いても抜いても復活する」という状態になりがちです。隣地との境界をまたいで広がってしまうと、ご近所トラブルの原因にもなりかねません。
庭クローバーは地表を覆うぶん、湿気がこもりやすく、ナメクジやダンゴムシが集まりやすい環境になることがあります。特に梅雨時期は、「見た目は緑できれいなのに、足元は虫だらけ」という声も少なくありません。
そこで検討されることが多いのが、ピンポイントで使える粒状タイプの害虫対策用品です。
見た目のギャップにも注意
もうひとつ見落としがちなのが、「写真で見るイメージと、実際の見た目のギャップ」です。SNSやカタログに載っている写真は、ベストなタイミングで撮影されたものがほとんどで、
- 花柄がついたまま茶色く残っている時期
- 一部だけ枯れ込んでまだら模様になっている状態
- 雑草が混ざってきて、クローバーだけではなくなっている様子
といったリアルな姿はあまり写っていません。庭クローバーを導入するなら、「常に写真のような状態をキープするには、それなりの手入れが必要」という前提で考えた方が、後悔は少ないと思います。
「クローバーなら手間がかからない」というイメージだけで選んでしまうと、実際には別種の手間が増えて戸惑うことが多いので、本当に自分の生活スタイルに合うかどうか、一度立ち止まって考えてみてください。
ここでお伝えしている内容は、あくまで一般的な目安です。土質や地域の気候によっても状況は変わるので、気になる場合はお住まいの地域の造園業者や園芸店など、身近な専門家にも相談してもらえると安心です。
増えすぎたクローバー除去駆除
すでに庭クローバーが増えすぎてしまって、「どうにかしたい」という段階の相談も、現場ではよくあります。正直に言うと、ここから元の状態に戻すのはかなりの根気が必要です。とはいえ、やり方を知っておけば、少しずつでも前に進めます。
手作業での除去
小面積であれば、スコップや平鍬を使って「表土ごと剥がす」方法が現実的です。クローバーは地表近くにランナーが張り巡らされているので、
- 5〜10cm程度の深さを目安に、土ごとそぎ取る
- 残った根やランナーを手でできるだけ拾い集める
といった作業を繰り返していきます。ただし、どうしても取り残しは出るので、数ヶ月後にまた芽が出てくることは覚悟しておいた方がよいです。
庭クローバーが増えすぎてしまった場合、地表近くで確実に刈り取れる道具があるかどうかで作業効率は大きく変わります。特にランナーが密集している状態では、普通の園芸ハサミでは追いつかないことも多いですよね。
そんなときに選ばれているのが、草刈り作業向けの手動鎌タイプです。
防草シートや砂利で覆う方法
中〜大面積の場合、すべてを手で抜こうとすると途方もないので、防草シートと砂利を組み合わせて「光を遮断する」方法も選択肢になります。具体的には、
- 地表のクローバーをできるだけ刈り取る
- 地面を平らに整え、防草シートをピンでしっかり固定する
- その上に砂利やウッドチップなどを敷いて仕上げる
といった流れです。この方法でもシートのすき間や端から出てくることはありますが、むき出しの状態よりはだいぶ発生を抑えられます。
除草剤を検討するときの注意
どうしても手に負えない場合、除草剤の使用を検討することもありますが、ペットや子どもがいる庭では特に慎重さが必要です。薬剤ごとに対象植物や残効期間、周囲の植物への影響が異なるため、ラベルや公式サイトに書かれている使用方法・注意事項を必ず守ってください。
除草剤の情報はここでは一般論にとどめています。実際に使用する際は、正確な情報は各製品の公式サイトをご確認ください。不安がある場合や広い面積での使用を考えている場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。
いずれの方法でも、一度で完全に「ゼロ」にするのはむずかしく、数ヶ月〜1年以上かけて徐々に減らしていくイメージを持っておくと、心構えとしては楽かもしれません。「戻す大変さ」を知ると、これから庭クローバーを植えようとしているあなたも、慎重になろうという気持ちが少し強くなるかなと思います。
庭クローバーで迷う人の選び方
ここまで読んで、「クローバーのリスクもわかったけれど、それでも条件次第では使ってみたい」という気持ちになっているかもしれません。ここでは、現場で私がよくお客様と一緒に確認している、「庭クローバー向きかどうかのチェックポイント」を整理しておきます。
庭クローバーに向いているケース
次のような条件がいくつか当てはまるなら、庭クローバーを部分的に導入してみる価値はあると思います。
- レンガや見切り材でエリアを明確に区切れる(境界を管理しやすい)
- 年に数回の刈り込みや踏みならし作業を、負担に感じない
- 「自然な雰囲気の庭」が好みで、多少のラフさは気にならない
- 将来的に庭全体をリフォームする予定があり、それまでの暫定的なグリーンとして考えられる
特に、「ここは土がむき出しだと泥はねが気になるけれど、がっつり花壇にする予定もない」といったエリアには、庭クローバーを「一時的なグリーンカバー」として使うのはアリです。
庭クローバーを避けた方がよいケース
逆に、次のような場合は、庭クローバー以外の選択肢を検討した方が無難です。
- 隣地との境界がはっきりしておらず、普段からあまり庭に出ない
- 虫がとても苦手で、足元に植物が茂っている状態にストレスを感じる
- 今後、家庭菜園や樹木を増やすなど、庭の使い方を変える可能性が高い
- 「ほぼ放置でもそれなりに見える庭」を目指している
どちらかというと、「手間を減らしたいからクローバー」という発想はおすすめしません。芝刈りの手間が減っても、クローバーのコントロールや境界管理という別の手間が増えることが多いからです。
コスト面を重視するなら、あえて一部を土のまま残して低木や多年草でボリュームを出したり、砂利やウッドチップを組み合わせたりする選択肢もあります。そういった「お金をかけない庭づくり」のアイデアは、お金をかけない庭づくりのアイデア集でも紹介しているので、参考にしてもらえるとうれしいです。
芝生代わりと犬やペット安全
画像出店:o-dan犬や猫と暮らしているご家庭では、「芝生の代わりに庭クローバーにした方が足にやさしそう」「ペットと一緒にゴロゴロできる庭にしたい」と考える方も多いです。たしかに、クローバーの葉は柔らかいので、肉球には優しい感触です。ただ、安全面については冷静に整理しておきましょう。
クローバーとペットの相性
一般的に、庭でよく見かけるシロツメクサやレッドクローバーは、少量を口にした程度でいきなり重篤な中毒を起こす植物ではないとされています。ただ、だからといって「好きなだけ食べさせて問題なし」とは言い切れません。
- 大量に食べると、下痢や嘔吐などの消化器症状を起こす可能性
- 個体によってはアレルギー反応が出る場合もゼロではない
- クローバー自体ではなく、付着した除草剤や農薬がリスクになることもある
特に、除草剤や殺虫剤を使っている庭では、「植物そのもの」よりも「葉についた薬剤」の方が危険な場合もあるので、薬剤の使用には十分注意してあげてください。
庭のつくり方の工夫
ペットと庭クローバーをうまく共存させるためには、次のような工夫が有効です。
- ペットがよく寝転ぶ場所は、ウッドデッキや人工芝など別素材でつくる
- クローバーを植えるエリアと、ペットが激しく走り回るエリアを分ける
- 初めてクローバーを導入するときは、小さな面積から様子を見る
「庭全体をクローバー」にするのではなく、「庭の一部にクローバーがある」くらいのバランスの方が、ペットにとっても人にとっても扱いやすいケースが多いですよ。
また、ペットがクローバーを頻繁にかじる様子がある場合や、体調に変化が見られる場合は、自己判断で様子を見るだけでなく、必ず獣医師に相談してください。
四つ葉探しを楽しむ庭クローバーまとめ
最後に、ここまでの内容をまとめつつ、「庭クローバーとどう付き合うか」を整理しておきます。
- クローバーは「増えやすく、戻しづらい」性質を持つグランドカバーである
- 雑草対策や土づくりのメリットはあるが、その分管理の手間も増える
- 夏の蒸れや虫の潜み場など、見た目だけではわからないデメリットも多い
- ペットや子どもがいる庭では、安全性と薬剤の使い方に特に注意が必要
四つ葉のクローバーを探せる庭は、たしかにワクワクしますし、子どもたちにとっても良い思い出になると思います。ただ、その楽しさの裏には、「増えすぎないように気を配る」「夏のダメージに対応する」といった管理の現実があることも忘れずにいてほしいです。
私のおすすめとしては、
- いきなり庭クローバーを全面地植えするのではなく、まずは鉢や一部エリアで試す
- 隣地との境界や花壇との境目を、レンガや見切り材でしっかり区切ってから植える
- 「本当にクローバーがベストか?」を、芝生やほかのグランドカバー、砂利などと比較して考える
というステップを踏んだうえで、「それでもやっぱりクローバーにしたい」と思えたら、導入してみるのがよいかなと思います。
この記事の中で書いている「正確な情報は公式サイトをご確認ください」というのは、特定の1つのサイトのことではなく、それぞれの分野ごとの一次情報源(公的機関やメーカーなどの公式サイト)を指しています。
たとえば、この記事の文脈だと次のような「公式サイト」が該当します。
- 除草剤や農薬まわりのルール・安全性を確認したいときの公的機関の公式サイト
- 実際に使う除草剤や園芸資材のメーカー公式サイト(ラベルの内容や使用上の注意が載っています)
具体的なURLの例としては、
- 農薬や除草剤全般の基本情報・ルール
(出典:農林水産省「農薬情報」)
https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/
こういった公的機関のページや、あなたが実際に購入した除草剤・園芸資材のメーカー公式サイトを「公式サイト」として想定しています。
なので、「この薬剤の使い方、もっと正確に知りたいな」というときは、パッケージに書かれているメーカー名や商品名で検索 → メーカー公式サイトや農林水産省などのページを確認する
